これまではコロナワクチン接種とインフルワクチン接種は、最低「2週間以上空けるべし」とお達しがありましたが…
実はこの「2週間」、あまり根拠はなさそうです。
最近、世界でも最高レベルの臨床医学ジャーナル、「ランセット」誌にこういうユニークなデータがでてきました。
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「コロナとインフル同時ワクチン接種は安全」Lancet誌の2021年11月28日 (日)配信より転載。
英12施設で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの初回接種を受けた成人679例を対象に、COVID-19ワクチン2回目接種時のインフルエンザワクチン同時接種の安全性を第IV相無作為化プラセボ対照試験で評価した。
COVID-19ワクチン2種×季節性不活化インフルエンザワクチン3種の6つのコホートを比較した。
その結果、4つのコホートで非劣性が示された。残る2つのコホートは95%CI上限が非劣性マージンの0.25を超えた。
全身反応はほとんどが軽度ないし中等度だった。重篤な有害事象(重度の頭痛による入院)が1件発現し、介入と関連性があるとされた。免疫反応に有害な影響はなかった。
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1例の「重度の頭痛」というのが気になりますが、考えてみれば、1/679の確率ですね。
加えて以前より偏頭痛を持病にもっている方はコロナワクチン接種後に頭痛が起きやすいと報告されていますので、同時接種の影響かどうかは分かりません。
しかしながら、インフルは品薄なので、「コロナワクチンを打って2週間後にインフルワクチン接種をしたい」というご相談もされるのですが、そのときまで在庫があるかどうか分からないので、そう行った場合には「2週間ルール」は気にしなくても良いのかも知れません。
当院でのインフルワクチンは、明日(11/30)から再開致します。